食材の力強さを味わえる農家のランチ⚫八葉食堂
姫路の市街地から少しはなれた田園風景が広がる夢前町に、2月にオープンした「八葉食堂」。
車で前を通るたびに気になっていたお店です。
「八方美米・八方美菜」という名前で農業を営むご夫婦が、自ら育てたお米やお野菜をふんだんに使ったランチを提供しています。畑はお店からほど近いところにあり、お野菜は新鮮そのもの。
無農薬、無肥料栽培。自然の力を最大限に利用して大切に育てています。年間60種類ものお野菜を栽培しているというからびっくり。
「八方美米・八方美菜」というネーミングには、美しいお米や野菜を広げていきたい、という思いがこめられているそう。
ランチのメインは月替わり、おかずは日替わり。
旬の食材をたっぷり取り入れた、からだにうれしい定食。
メインには豆腐入りつくねをいただきました。
大根の菜花やエシャレットなど、ふだんは食べないものがあったり、野菜の味を引き出す工夫がされていたりと、さすが農家のごはんやさん。
噛むほどに野菜の力強い味わいが広がります。
つくねの味噌ダレは自家製の三年味噌。深みがあっておいしい。これさえあればごはん何杯でもいけそうです。
土鍋で炊いているという玄米ごはんは、おにぎりで登場。驚いたのは、そのプチプチ食感。お米の特徴なのか、緑もちという古代米も入っているからなのか、歯ごたえがほんとにいいのです。
家でも玄米を食べている私。店内で販売されている玄米を買ってみました。家で炊いてみたところ、やっぱり歯ごたえがしっかりしていておいしかったです。が、お店で食べたときのプチプチ感が忘れられない。これはもう、通うしかない!(笑)
お弁当の持ち帰りもできるそうなので、忙しいけどしっかり食べたい!というときにぴったり。
食後の甘酒ミルク。
自家製甘酒はまだ仕込み中とのことで、今回は残念でしたが、また次の機会にいただいてみたいと思います。
こじんまりとした、ナチュラルテイストの店内。
カウンター席に座らせてもらったのですが、足元にカバンをかけるフックがついていて、ちょっと感激。
さらに感激したのは、カウンター越しの窓からの風景。山のみどりが鮮やかで、まるで絵が飾ってあるよう。
営業日は火、木、土の週3日。それ以外の日は、配達で姫路界隈の飲食店などをまわっているそう。お聞きすると、私が知っているお店にもおろしているとのこと。へぇーあのお店のお野菜は八方美菜さんのだったのか〜と、ひとりで納得。
店内にも、お野菜の販売スペースが。
そしてその横には、広島尾道のチョコレート屋さん「ウシオチョコラトル」のチョコが!
2年前に尾道に行ったときに知ったこのチョコ。そのときは買わなかったのですが、帰って来てから、やっぱ買っときゃよかった〜!と悶々としていました(笑)まさか、こんなところであえるとは・・・。
素材にこだわっていて、パッケージもかわいい。レモンの風味がさわやかなグアテマラを買いました。
自分で作った農産物を自分の手で調理し、それを自分のお店で提供する。そういう食堂やカフェってなかなかないですよね。「Farm to Table(畑から食卓まで)」とはよく聞くことばですが、まさにその理想のかたちなんじゃないかなと思います。
農業をはじめて今年で9年になるというご主人。
きっかけは、大分で無農薬農業を実践しているひとの講演を聞いたこと。そのひとに弟子入りし、無農薬農業を学んだそうです。
イベントに出店したり、ご自身でもイベントを開催したりと、超バイタリティのあるご主人。業種を超えたいろんなひととの出会いがあり今がある、と話すご主人の力強さは、食材の力強さと重なります。
店内の販売コーナーにもありましたが、パクチー栽培にも力を入れているそう。パクチー=おしゃれ女子が好きなやつ、というイメージがある私。パクチーの独特な味が苦手な私は、おしゃれ女子になれない(笑)のですが、ちょっと食べてみたいなあと興味がわきました。
今後は、店頭でも野菜を予約販売できるようにし、カフェメニューも充実させていく予定なんだとか。どんどん進化していきそうな予感。
あ、そうそう。「八葉食堂」の店名の由来は、「八方美米・八方美菜」の“八”と、奥さまのお名前「葉子さん」の“葉”からなんですって。これからも夫婦二人三脚でがんばっていただきたいですね。
「八葉食堂」のとなりには、地元のお米や野菜、スイーツなどを販売する道の駅「夢街道farm67」が。(右奥のえんじ色の屋根の建物が八葉食堂です。)
大きないちごのモニュメントが目印。
ちょっと立ち寄ってみるのもいいですね。
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八葉食堂
姫路市夢前町宮置349-1
☎︎080-5319-9915
11:30から16:00 まで
火・木・土曜のみ営業